任意整理について考える
「多重債務者への融資について考える」でも書いたけど、借金の多い人がさらに借金を行う一番の理由ってなんだろう?
それは返済に困って・・・が最も多い。
つまり一ヶ月の返済金額が減れば、借り入れをする必要が無いって事で・・・
ここを何とかできるのが任意整理への道。
任意整理(過払い請求)って、そもそも何かというと、
司法書士や弁護士に依頼して金融会社と交渉をしてもらい利息制限法を越えた契約を見直して返済計画を作り直すことです。金融会社との交渉は自分でやる必要が無く、借金の総額も減ります(利息制限法以上の契約の場合)。でも、交渉だからそれなりに条件が整わなければなりません。
支払い能力の限界と感覚の麻痺
以前にも書いたけど、管理人は多重債務者でした。最大の借り入れ件数は7件!
もう、ここまでくれば感覚の麻痺がものすごい。借入額なんて銀行の貯金みたいに感じちゃうし、支払額は給料の半分以上で生活費なんてあるわけない!今、振り返ってみると、どのあたりが支払いの限界だったんだろう?
管理人の経験的に3社からの借り入れ時が限界だったかな(29.2%の金利で100万円くらい)!?
コレくらいの借金だと月々の支払いが5万円って金額になるから、相当に生活が厳しくなる。あとは返済の為の借り入れを繰り返す典型的な落とし穴にはまっていくんだよね。
このコラム読んでる方へ。
もし借金総額が多く自転車操業に陥っているなら、債務整理の意思を固めてしまうことも重要です!
任意整理・個人民事再生・自己破産
借金を整理する方法は実は色々ある。
「任意整理」「個人民事再生」「自己破産」以外にも「特定調停」って方法もあります。これは任意整理を裁判所を通して自分でやる方法なんだけど、交渉不足でうまくいかないケースも多い。
任意整理はもっともダメージの少ない方法といえます。でもそれなりに条件があって、たとえば無職だったりすると返済計画も立てられないので自己破産を勧められたりします。条件は下のとおり。
| 任意整理とは | 弁護士や司法書士が裁判外で、債権者と利息制限法に基づいて借金を再計算することにより借金を減額し、その金額に利息をつけないで通常3年で返済していく手続き。 |
|---|---|
| 借金総額 | 利息制限法(20%以下)に計算しなおした総額を3年で返済できる見込み |
| 裁判所の手続き | 必要なし |
| 信用情報機関登録 | 任意整理後に残債がある場合はあり、過払いでの和解になればなし |
| 官報への掲載 | なし |
| 収入 | 定期収入があること |
| 個人民事再生とは | 現在の借金が返済困難であることを裁判所に認めてもらい大幅に減額された借金を3年かけて分割で返済していく手続。借金が1/5から1/10くらいまで減額されます(住宅ローンを除く)。不動産等は守れます。 |
|---|---|
| 借金総額 | 利息制限法(20%以下)に計算しなおした総額返済がおよそ4年以上かかる見込み |
| 裁判所の手続き | 必要 |
| 信用情報機関登録 | あり |
| 官報への掲載 | あり |
| 収入 | 定期収入があること |
| 自己破産とは | 継続して全ての借金を支払うことができない状態に至ったことを裁判所に認めてもらい、全ての借金の支払義務を免れる制度。 |
|---|---|
| 借金総額 | 利息制限法(20%以下)に計算しなおした総額返済がおよそ4年以上かかる見込み |
| 裁判所の手続き | 必要 |
| 信用情報機関登録 | あり |
| 官報への掲載 | あり |
| 収入 | 定期収入がない |
消費者金融のほとんどが採用していた29.2%金利の場合、利子だけ返していたとして10年程度で完済している可能性が高い(利息制限法の金利に計算しなおした場合)。まぁしかし多くの人は2年程度で多重債務者状態になるから、任意整理を真剣に考えている状態って事は3年程度の支払い実績じゃないかな?
3年の支払いだと利息制限法で計算しなおしても減額はされるけど、そんなに大きな額じゃない。任意整理か個人民事再生かは次のように考えてみよう。
- それぞれの会社について、利息制限法で再計算した借金総額を出す為に以下の計算をする。
(利息が25%以上の場合を考えてます)- 3年未満の返済: 今の残高そのまま
- 3-5年の返済: 残高の80%
- 6-8年の返済: 残高の50%
- 9-10年の返済: 残高の30%
- 10年以上の返済: 残高の0%
- 1ヶ月に返せる金額を考えて、その金額に40を掛けた数字を出す。
- 1の総額から2の金額を引いた額が0~マイナスなら任意整理でいけるはず!プラスなら個人民事再生のほうがベターかもしれない。
総額が200万円あっても月に5万円返せればいいってこと。
利息制限法って?と思ってる人は「利息の謎」のコラム読んでください。
任意整理のメリット・デメリット
任意整理には非常に多くのメリットと少しのデメリットがある。
メリットのいくつかは健全に仕事してくれる司法書士や弁護士に依頼した場合で、残念ながら悪徳な司法書士や弁護士だと十分にメリットが生かせないこともあります。業者と交渉もしないで総額が減らないってクレームをよく聞くし、ひどいケースだと事務所に払った金をピンはねするケースもあるそうだ。
| メリット | ・借金の総額が減る(利息制限法以上の契約の場合) ・業者からの請求が止まる ・残高のみの返済で、利息を払う必要が無い ・3年程度で返済できる計画を立てられる ・過払いが発生したケースではお金が戻ってくる ・過払いが発生したケースでは個人信用情報機関に登録されない ・会社や家庭に連絡が行く事はない(契約書の送付くらい) ・個人信用情報機関以外に情報が登録されることは無い (破産・個人民事再生の場合は官報掲載によって公表される) |
|---|---|
| デメリット | ・5年-10年はクレジットカード審査や住宅ローン審査、新規融資審査が通らなくなる ・現在持っているクレジットカードに影響が出る可能性がある(減額や解約など) |
実際のところデメリットはほとんど無いと言っていいと思う。
個人信用情報機関に登録されるのも、任意整理後に残債が残った場合だけで、過払いでの和解となれば登録もされなくなった。
※日本信用情報機構(JICC)のコード71(契約見直し)に関する公式発表
残債が残り『債務整理』の情報が登録されてしまった場合は、今のクレジットカードに影響が出る可能性も否定できない。でも、いきなり全額払え!って言われるわけじゃなくて、枠が減らされたりなくなったりするだけのことです。VISAデビットカード会員になれば何の問題もないでしょう。
任意整理の準備
任意整理というの貸金業者との交渉です。
貸金業者の中には悪質な対応をする場合もあるから、取引に関する書類は全て準備したほうが良いでしょう。最低限準備したいものとしては、「ローンカード」と「契約書」です。特に契約書は、契約時期の証拠となるんで非常に重要。もしも見つからないときは契約時期を思い出しておこう。
さらに、それぞれの会社に残高を問い合わせしておきたい。残高を知りたいというのは普通のことなんで、恐れずに電話するべし!取引履歴の開示ができれば、さらに理想的です。
あと、非常に重要なんだけど任意整理をするときは追加の融資をしてはいけません。最低でも2週間は融資を受けていないことが重要です。「え~!融資受けちゃったよ!?」って方は任意整理をお願いするときに素直にそれを言っておきたい。
| 用意するもの | カード・契約書・支払いの履歴となる書類 |
|---|---|
| 用意すること | 各会社の現在の残高一覧 各会社の契約時期の一覧 追加融資などは受けないこと |
任意整理の申し込み
任意整理をするためには司法書士や弁護士を見つける必要があります。
依頼する時は、最初だけ事務所に行かなければならないので遠い場所にあると不便です。また、悪徳事務所ってのも確かに存在するので、申し込みや相談のときに気に入らなかったら「断る」姿勢も大切です。事務所は他にもあるのだから納得できるところに申し込むことが重要です。
申し込みはネットや電話でして、日時を決めて事務所に訪問ってのが一般的。最近は過払い請求が多いから「明日行きたいです。」って言っても忙しい事もあるので、余裕を持って申し込みしましょう。持参するものも言われるだろうけど、身分証明書の他は一つ上に書いた書類とリストで十分のはずです。
さて、気になる依頼費用の話をしておこうと思うんだけど・・・
事務所のサイトを閲覧して、手続き費用を見ると高いですよね・・・
通常は、着手金で1社につき2万円、報酬金で1社につき2万円+減額分(元金と和解金額の差額)の1割程度、過払い金が発生した場合は2割程度ってのが相場じゃないかな?。4社頼むと16万円+αを払う事になる。高い!って思うかもしれないけど、分割支払いも可能です。
任意整理を申し込むと、その日から交渉成立まで貸金業者に支払う必要は無くなります(電話が来ても「任意整理依頼しました」と言えば良い)。交渉は通常3ヶ月程度かかるので、その間に依頼費用を分割して払うのが一般的。貸金業者に支払う必要が無いから、いつもの月の支払いより余裕があるのでは?
悪徳事務所の場合、依頼費用とは別に支払い用の現金を事務所に入金するよう求めてくるケースがあります。もちろん、しっかりと払ってくれる事務所もあるんだろうけど、通常は交渉成立の後に自分で貸金業者の指定口座に毎月の一定額を入金します。交渉も終わってないのに依頼費用以外の入金を促されたら注意しましょう。というか、最初にしっかりと入金の方法まで確認しておく必要があります!
| 事務所名 | 場所 | 着手金 | 成功報酬 | 減額報酬 | 過払い返還報酬 |
|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤法律事務所 | 東京都港区 | 10,000円/1社 | 20,000円/1社 | 減額された額の10% | 返還された額の20% |
| 認定司法書士 横野事務所 | 東京都港区 大阪府大阪市北区 |
19,800円/1社 | - | 減額された額の9.8% | 返還された額の19.8% |
| 村岡総合法律事務所 | 東京都港区 | 10,000円/1社 | 20,000円/1社 | 減額された額の10% | 返還された額の20% |
任意整理中・整理後の注意点
任意整理をした結果、残債が残った場合は個人信用情報機関に『債務整理』の情報が載せられます。この情報は加盟している貸金業者しか見ることはできないので、仕事には全く影響ありません。せっかくなんで交渉が全て終わったら個人信用情報機関に行って、自分の信用情報を確認しておくことをお勧めします。
場合によっては情報が載ってない事もあります(ラッキーです)。個人信用情報機関の一覧はこっちのページに書いてあるので参考にしてください。
さて、個人信用情報機関に『債務整理』の情報が載るとクレジットカードが作れません。これだけは仕事で必要って人もいるだろうからVISAデビットカードを管理人は勧めています。クレジットカードとまったく同じに使えるキャッシュカードで、残高分だけ使えます。海外でもネットでも使えるからまったく問題ありません。
さて、かなり長いコラムになったけど任意整理の決意は?
